肺動脈性肺高血圧症について

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難病情報センター – Japan Intractable Diseases Information Center (nanbyou.or.jp)

1. 概要

肺動脈性肺高血圧症の最初の認定には、右心カテーテル検査で肺動脈平均圧≧25 mmHg、肺動脈楔入圧は正常(左心系の異常はない)であることが必須である。さらに、肺血流シンチグラムにて区域性血流欠損なし(ほぼ正常)の所見が必要である。認定の際に参考とする所見は、心エコー検査で推定肺動脈圧の著明な上昇および右室肥大所見を認めること、胸部X線検査で肺動脈本幹部の拡大を認めること、心電図で右室肥大所見を認めることである。左心系疾患による肺高血圧症、呼吸器疾患による肺高血圧症、慢性血栓塞栓性肺高血圧症を除外する必要がある。認定の更新時には、肺高血圧の程度は新規申請時より軽減していても、肺血管拡張療法などの治療が必要な場合は認める。

2. 原因の解明

肺動脈性肺高血圧症といっても、特発性、膠原病・門脈圧亢進症を伴う場合、薬剤性など病態は同一ではない。しかし、いずれの場合もその原因は解明されておらず、難病に指定されている。特発性の一部は骨形成蛋白(BMP)システム異常が関与しているが、それだけでは病気は起こらない。何らかの他の病因も関与すると考えられている(遺伝的素因に後天性要因が加わり発症する)。肺血管壁を構成している血管内皮細胞、血管平滑筋細胞、細胞外基質などが異常に増殖した結果、血管が硬くなり内腔が狭くなり、結果として血流の流れが悪くなり、心臓に負担がかかることになる。原因の解明に向けて呼吸不全に関する調査研究班では研究を継続している。

3. 主な症状

自覚症状として肺動脈性肺高血圧症だけに特別なものはない。この病気は肺の血管に異常が生じるため、心臓に多大な負担がかかり、結果として全身への酸素供給がうまくいかなくなる病気である。初期は、安静時の自覚症状はないのが通常である。しかし、体を動かす時に、ヒトはより多くの酸素が必要になる。この酸素の供給が十分にできなくなるのが、肺動脈性肺高血圧症であり、それによる症状が出現する。すなわち、体を動かす時に息苦しく感じる、すぐに疲れる、体がだるい、意識がなくなる(失神)などである。病気が進むと、心臓の機能がより低下するために、足がむくむ、少し体を動かしただけでも息苦しいなどの症状が出現する。

4. 主な治療法

治療として従来使用されてきたのは、抗凝固薬(血管内で血栓が生じるのを予防する)、利尿薬(循環血漿量を減少させて、心臓の負担を減らす)、酸素療法(心臓の機能が低下して全身への酸素供給能力が低下しているので、吸入酸素濃度を上昇させてそれを補う)である。 肺血管を拡げて血流の流れを改善させる肺血管拡張療法が効果をあげている。肺血管を拡げるプロスタサイクリンおよびその誘導体、肺血管を収縮させるエンドセリンが平滑筋に結合することを防ぐエンドセリン受容体拮抗薬、血管平滑筋の収縮を緩めるサイクリックGMPという物質を増加させるホスホジエステラーゼ5(PDE5)の作用を阻害する薬である。


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