原発性胆汁性肝硬変について

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難病情報センター – Japan Intractable Diseases Information Center (nanbyou.or.jp)

1. 原発性胆汁性肝硬変(PBC)とは

胆汁は食べ物に含まれている脂肪を消化する大切な働きを有しています。この胆汁は肝臓で肝細胞によって作られて、肝臓内の細い管(肝内胆管)を経て、だんだんと大きな胆管に集合し、一旦胆嚢内に貯留された後に食物として摂取した脂肪分が刺激となり、十二指腸から腸内へ排出されます。原発性胆汁性肝硬変(げんぱつせいたんじゅうせいかんこうへん)になると、肝臓の中の小さな胆管が炎症により破壊されます。このため、胆汁が肝臓内に停滞するために胆汁中の成分であるビリルビンが血管内に逆流し、全身の組織に黄色いビリルビンが沈着し黄疸が生じます。肝臓では、炎症と停滞した胆汁により次第に肝細胞が破壊されて線維に置換され、徐々に肝硬変へと進行します。一部の患者さんでは、徐々に肝臓の働きが低下して、黄疸、腹水貯留、意識障害(肝性脳症)を生じて肝不全という状態まで進行します。

原発性胆汁性肝硬変は英語ではPrimary Biliary Cirrhosisといい、頭文字をとってPBC(ピービーシー)と呼ばれています。症候性PBCと無症候性PBCに分頬され、皮膚のかゆみ、黄疸、食道胃静脈瘤、腹水、肝性脳症など肝障害に基づく自覚症状を有する場合は症候性PBCと呼び、これらの症状を欠く場合は無症候性PBCと呼びます。PBCは病名に肝硬変という名称が含まれていますが、多くの患者さんは肝硬変の状態になく、早期の進行していない時期にみつかります。しかし、病名としては
原発性胆汁性肝硬変と呼ばれます。

2. この病気の原因はわかっているのですか

この病気の原因はまだわかっておらず、根本的な治療法が開発されていません。そのため特定疾患に指定されています。肝臓の組織障害には、現在のところ、免疫反応の異常、すなわち、自己免疫反応が関与していることが、国内外の研究で明らかになりつつあります。

3. この病気はどういう経過をたどるのですか

「肝硬変」という文字が病名に付けられていますが、実際に肝硬変に至っている方は約1割の方です。歴史的には、肝硬変まで進んで初めて診断されていたので、病名に「肝硬変」が付けられましたが、最近では、診断するための検査の開発や病気についての知識が広まったために、症状がない、あるいは、軽い時期に診断されることがほとんどですので、多くの方は肝硬変には至っていません。しかし、胆管の炎症は年余にわたって経過し、一部の方では次第に皮膚掻痒感、黄疸が出現し、食道静脈瘤、腹水、肝性脳症など、肝障害に基づく症状が出現します。このような肝障害に基づく症状を有している場合症候性PBCと呼び、それらの症候を欠く場合を無症候性PBCと呼びます。
同じ原発性胆汁性肝硬変という病名であっても、全ての患者さんが同じように進行していくわけではありません。全く症状のない無症候性PBCの約70%以上の患者さんが10年以上病状が進行せず経過します。いったん黄疸が現れても、その進み方は緩やかで、高度の黄疸に至るまで数年を要します。ウルソがPBCに使用されるようになって、この病気の進行は以前に比べて明らかに改善しています。現在、国内外で精力的に研究が進められています。これらの研究の成果がPBCの患者さんの診療に応用される日も遠くないと思われます。


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