原発性免疫不全症候群について

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難病情報センター – Japan Intractable Diseases Information Center (nanbyou.or.jp)

1. 原発性免疫不全症候群とは

正常なヒトでは体内に細菌やウイルスなどの病原体が侵入すると、これらを排除する防衛反応が生じます。この仕組みが免疫系です。原発性免疫不全症候群は、先天的に免疫系のいずれかの部分に欠陥がある疾患の総称であり、後天的に免疫力が低下するエイズなどの後天性免疫不全症候群と区別されます。障害される免疫担当細胞(たとえば、好中球、T細胞、B細胞)などの種類や部位により200近くの疾患に分類されます。

原発性免疫不全症候群で問題となるのは、感染に対する抵抗力の低下であります。重症感染のため重篤な肺炎、中耳炎、膿瘍、髄膜炎などを繰り返します。時に生命の危険を生じることもあり、中耳炎の反復による難聴、肺感染の反復により気管支拡張症などの後遺症を残すこともあります。

2. この病気の原因はわかっているのですか

多くは免疫系に働く蛋白の遺伝子の異常です。この10年間に代表的な原発性免疫不全症候群の原因遺伝子はほとんど解明され、確定診断や治療に役立っています。しかし、IgGサブクラス欠乏症や慢性良性好中球減少症のように一時的な免疫系の未熟性によると思われる疾患もあります。

3. この病気にはどのような治療法がありますか

疾患・重症度により治療法が選択されます。

軽症例では、抗菌薬の予防内服によりかなりの効果があります。抗体欠乏を主徴とする免疫不全症では、月1回ほどの静注用ヒト免疫グロブリン製剤の補充により感染はほぼ予防できます。 重症複合免疫不全症などの重症なタイプでは早期に骨髄や臍帯血による造血幹細胞移植が選択されます。ドナーがみつからない場合は遺伝子治療が考慮されます。


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